6月10日に大阪市会で、上海電力について質疑がありました。前田市議と木下市議が質疑を行っています。
前回触れた前田市議とは全然違って、木下市議の質疑はなかなか迫力のあるものでした。
質問に立った木村市議は、上海電力問題などについて既に2度質問主意書を出して、大阪市から答弁書を引き出していて、かなり情報を集めて、状況を把握されているようです。
木村市議の質疑では、港湾局などの関係部署の役人に加えて、松井市長にも質疑を行っていました。
・松井市長や吉村知事が使っていた「副市長案件」という言葉について。木下市議が尺所関係者に確認したところ、役人は初めて聞い言葉とのこと。→松井市長が、副市長が決裁する意味の言葉だと弁明。
・大阪市は、咲洲メガソーラーの入札計画について、H24年10月10日の副市長会議で決定されたと(前田市議の質疑でも)言っている。しかし、H25年4月1日から、副市長会議というものはできた。→松井市長弁明。
・港湾局谷原課長、納税署名書無しで入札参加をOKにしたのは、日光エナジー設立後間もない会社だったので。→木下市議、税金滞納している会社が新会社を作って入札に参加可能か? →港湾局谷原課長、滞納している会社が入札参加可能。
・伸和工業・日光エナジーはソーラー事業をやったことがないらしい。
・上海電力の資料に、上海電力は大阪に招致された、日本における最初のプロジェクトだとの記載あり。
・ソーラー発電事業にしていない(合同会社に加わっていない)段階で、上海電力の社長が着工式を行っている。
・木下市議が、市側に着工式に市の関係者が出席していたか念入りに確認。(木下市議は何か情報を持っている上で確認していた模様)
・木下市議の確認に、大阪市環境局長は、再エネ特措法、電気事業法などについて詳しくない模様。抵触の可能性。
・契約の当事者が変わっているが、契約を書きなおさなくて問題ないか。当事者が変わっていたら問題発生したときに、責任を問えないことがありえるのでは。→大阪市、問題ないと判断した。
ネットでちょっと面白い指摘がありました。松井市長が「伸和と、今は上海電力【さん】が」(上記動画2h42mあたり)と発言していました。この、上海電力にだけ、さん付けしたは心の声が出たのではという指摘でした。
上海電力の言うように大阪に招致してもらったということだとすると松井市長のこの表現もうなずけます。
前田市議に続き、木下市議の質疑で大阪市の数々の不審な対応が一段と浮き彫りになったと思います。
前田市議が金融庁の検査官という経歴を持っています。木下市議は記者の経歴を持っています。それぞれのキャリアが活かされた良い質疑だったのではないかと思います。
山口敬之氏がネットの番組で今回の大阪市会についてコメントしていましたが、山口氏がこれまで指摘していた不審な点について、議会で質疑が行われ、公の記録に残ることとなりました。これは大きな一歩ではないかと思います。
また、木下市議や前田市議の役割は大きいと思いますが、それに加えて非常に重要なのは、市議を動かした市民の声だと思います。月間Hanadaに書かれていましたが、市議のところには普段ではないくらいの数が問い合わせがあったそうで、大手メディアが報じない中で、そうした市民の行動はきわめて重要だったと思います。
月刊Hanada7月号が異例の大増刷でしたが、大阪の上海電力問題について関心のある人は多いようで、上記の「よりよい大阪へ」チャンネルの「R4.6.10 大阪市会 建設港湾委員会」の動画も、このチャンネルの他の動画の100倍くらいの3万を超えてアクセスが増え続けています。
R4.6.10 大阪市会 建設港湾委員会 (質疑を行う木下市議)
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