産経新聞に掲載された元内閣官房参与の谷口氏のコラムによると、『「自由で開かれたインド太平洋」という概念が、日本外交の辞書から消え』ているようです。
「自由で開かれたインド太平洋」という概念が、日本外交の辞書から消えた。誰かが宣言して消したのではない。岸田文雄首相や林芳正前外相、上川陽子外相らが言わなくなって、ロウソクの火が消えるごとく隠微に消えた。
岸田政権では、「自由で開かれたインド太平洋」の代わりに「自由で開かれた国際秩序」というよくわからない表現が使われがちなようです。
「自由で開かれたインド太平洋」というのは、安倍晋三元首相が打ち出したものです。
安倍晋三元首相が打ち出し、米国はじめ海洋民主主義国の多くが喜んで唱和した「自由で開かれたインド太平洋」は、英語表記の頭文字でFOIPと呼ばれるのが常である。
例えば、調べてみるとアメリカの文書にも「自由で開かれたインド太平洋」("Free And Open Indo-Pacific")は、アメリカの"INDO PACIFIC STRATEGY"という文書に登場します。
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2022/02/U.S.-Indo-Pacific-Strategy.pdf
最近ちょうど"free and open Indo-Pacific"という表現を、習主席がベトナムを訪問したというVOAの記事で、見かけたところでした。海外で“free and open Indo-Pacific"は普通に使われているようです。
In November, Japan and Vietnam improved their economic and security ties, calling for a “free and open Indo-Pacific.” Japan has been developing closer ties with Vietnam and is its third-largest foreign investor.
岸田政権が「自由で開かれたインド太平洋」を使わないようにしているとしたらなぜなのでしょうか。
元内閣参与の谷口氏のコラムはこのように締めくくられています。
こんな用語の変更を官吏が独断でしたとは想像しにくい。安倍カラーを消したい意欲が首相において強いのだとすると、さもしい話ではないか。
ちなみに、このコラムは、12月18日の「あさ8」(1:40:37頃から)でも取り上げられていました。
新任の人物が、既存のうまくいっていることに対して自分の独自色を出したいがために余計なことをするいうのは、放送業界でも会社組織でもあるとのことです。
百田氏や有本氏がそういう事例を紹介していました。
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