池上彰氏の番組でQUAD(日米豪印戦略対話)について説明されていたそうです。
映像を見て、唖然としてしまいました。
ナレーションで「(QUADの)このような連携が進んだ背景は、バイデン大統領が同盟国との連携を強化して中国に対処する、と発言したことが大きいと見られている」と説明されていました。
番組が、無知なのか、わざとなのかわりませんが、これは事実と異なります。
QUADの功労者は安倍元総理です。
クアッド構想は06年に当時の安倍晋三首相が4カ国の戦略対話を訴えたのがきっかけですよ。バイデン発言のずっと前の話なのに、テレ朝(池上彰氏)は安倍さんの実績を消したいのでしょう。 pic.twitter.com/wWxxlMg2xc
— take5 (@akasayiigaremus) 2021年4月10日
高橋洋一氏と石平氏が『天国と地獄に向かう世界 習近平のおかげで日本は安泰か』という対談本を出されています。
この本の第1章の一番最初に、「日本主導で成立した初の安保戦略「Quad」」という見出しで、QUADの経緯について書かれています。
この4か国の構想は「セキュリティ・ダイヤモンド」とよばれていて、第1次安倍内閣(2006年9月~2007年8月)のときからありました。
「セキュリティ・ダイヤモンド」とは、大掴みにいうと、日本とオーストラリアとインドとアメリカという民主主義の4国で、「中国包囲網」をつくるとする安保戦略構想のことであった。第1次安倍政権のときだから、いまから13,4年前のことだ。
あと、映像の中で池上氏は、オーストラリアがQUADに参加している理由をこんな風に説明をしています。
「オーストラリア周辺にどんどん中国の海軍の船が行き来するようになって、オーストラリアはオーストラリアで危機意識を持っている」
これも正しくない説明です。こんな生ぬるい話ではありません。
オーストラリアがQUADに前向きになったのは、中国人に乗っ取られてしまうと思わせるほどに、中国がオーストラリアに浸透工作をしたためです。
『サイレント・インベーション~オーストラリアにおける中国の影響~』(クライブ・ハミルトン著)にも書かれていたように、オーストラリアの政界、財界、学界、市民社会に、あらゆる方法で中国共産党の影響力が浸透していき、ついに限界を超えてしまったことから、反発のエネルギーを生み出してしまった。
池上氏は、以前、中国共産党を礼賛していましたから、ここはわざと正確に説明していないのだろうな、と見ていて思いました。
『サイレント・インベーション』は、中国の浸透工作について書かれた本で、このようにアマゾンで書かれています。
原著は大手出版社Aleen&Unwinと出版契約を結んでいたが刊行中止、その後も2社から断られた。
「(本書の)販売中止を決めた自粛は自己検閲だ」(フィナンシャル・タイムズ)と物議をかもし、
中国共産党の海外工作ネットワークをすべて実名入りで解明した、執念の本格研究、ついに全訳完成!
日本での、中国共産党の浸透工作は、どれくらい進んでいるのでしょうか。
尖閣、香港、ウイグル、外資土地規制の問題を見ていると結構心配になるのですが。
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