2012年9月の橋下氏の発言の記録が、大阪市会会議録検索システムの議事録に残っています。
当時の橋下市長の発言によると、メガソーラーはもうかるので、やりたい業者は多いそうです。
本来あれはもうどこでも貸せば、みんな借りたい、借りたいという業者が山ほど出てくるんですよ。(中略)
要はあれ、もうかるんですよ。メガソーラーをやれば今はもうもうかる仕組みになってます。
ただ、橋下市長発言から2カ月後の咲洲案件では、橋下市長の発言とは異なって、入札はたった1社しかありませんでした。
入札したのは、メガソーラーに実績のない伸和工業と日光エナジー開発の連合体の1社だけです。
入札期間が短かったのでは、という指摘もされています。これに対しては、大阪市側が答弁で問題なかった旨を既に答えています。
大阪市のHPにも入札についての情報が当時公開されてました。国会図書館が保存(*)している記録にそれが残っています。
・【太陽光発電事業限定】条件付一般競争入札による市有不動産の貸付実施要領(港湾局実施分)
[2012年11月16日]
大阪市事業者の方へ 【太陽光発電事業限定】条件付一般競争入札による市有不動産の貸付実施要領(港湾局実施分)
・咲洲コスモスクエア地区 太陽光発電事業限定の市有不動産貸付の契約を締結しました
[2012年12月26日]
大阪市 港湾局 【報道発表資料】咲洲コスモスクエア地区 太陽光発電事業限定の市有不動産貸付の契約を締結しました
(*) 国立国会図書館法の改正により、2010年4月から公的機関(国の機関、地方自治体、独立行政法人、国公立大学など)のウェブサイトを、許諾を得ることなく網羅的に収集しています。
WARP (Web Archiving Project) | 世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業
北村弁護士によるツイートがありました。全国自治体の全ての入札情報を網羅的に(ネット上のロボットと人力で)収集し、DBにして顧客企業に情報提供する会社があるそうです。
その会社によると、この大阪市のHPの情報は見つからなかったとのことです。そして、行政がHPへのアップの仕方を工夫してステルス入札を行うケースがあるとのことです。
つまり、HPは公開しているものの、検索に引っかからないようにするなどなるべく人目につかないように公開されていた可能性があるようです。
入札情報サービス提供会社に本件HP画面をデータベースで検索して貰いましたが、DBにありませんでした。この会社は、全国自治体の全ての入札情報を網羅的に(ネット上のロボットと人力で)収集し、DBにして顧客企業に情報提供しています。アップの仕方でステルス入札とする手口の可能性を指摘されました。
入札情報サービス提供会社に本件HP画面をデータベースで検索して貰いましたが、DBにありませんでした。この会社は、全国自治体の全ての入札情報を網羅的に(ネット上のロボットと人力で)収集し、DBにして顧客企業に情報提供しています。アップの仕方でステルス入札とする手口の可能性を指摘されました。 https://t.co/8p8teDwXvq
— 北村晴男 (@kitamuraharuo) 2022年6月6日
もちろん、大阪市のHPを確認した上で、2012年当時にこの会社がクローラー(ネット上のロボット)と人力で収集した入札情報データベースにこのHP情報があるか否かを確認して貰いました。行政がHPへのアップの仕方を工夫してステルス入札を行うケースがあるようです。
もちろん、大阪市のHPを確認した上で、2012年当時にこの会社がクローラー(ネット上のロボット)と人力で収集した入札情報データベースにこのHP情報があるか否かを確認して貰いました。行政がHPへのアップの仕方を工夫してステルス入札を行うケースがあるようです。 https://t.co/KjLSdtiWNf
— 北村晴男 (@kitamuraharuo) 2022年6月6日
山口敬之氏が、月刊Hanada7月号の記事で、橋下市長発言と同様の内容について書いています。太陽光発電事業者はもし知っていたら入札したかったとのことです。
大阪市と大阪府で太陽光発電事業を行う複数の事業者に取材をしたが、この事業について一般競争入札が行われたことを知っていた業者は一社もなかった。
そして、皆が「知っていたら必ず入札していた」と、機会を逸したことを悔しがっていた。
もうかるメガソーラーをやりたい業者は多いのに、1社(メガソーラーの実績のない企業2社の連合体)だけ、入札し、契約まで至った、というのはどうしてなんでしょうかね。
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