少し前の話になりますが、『美しく、強く、成長する国へ。私の「日本経済強靭化計画」』を読み終わりました。
読み終わったのは、総裁選の直前でした。
非常に興味深い本でした。
目次は、以下のようになっています。
序章 日本よ、美しく、強く、成長国であれ!
第1章 私の『日本経済強靭化計画』とは―「サナエノミクス」の提案
第2章 「危機管理投資」と「成長投資」―「アフターコロナ」を見据えて
第3章 経済安全保障の強化―深刻な「中国リスク」
第4章 サイバーセキュリティの強化―「成長に向けた投資」への転換
第5章 地方の未来を拓く―3つのキーワード
第6章 「生活者の視点」を大切に―松下幸之助氏の注文
第7章 分厚い中間層を再構築する税制―安心と成長のための改革を
結章 新しい日本国憲法の制定
資料提供者・ヒアリング協力者・参考資料・引用文献
感想
読みにくいという話は聞いていましたが、確かに少し読みにくかったです。
文章が固めなのと、本のボリュームに比べて情報が幅広くて多かったためだと思いました。
文章が固いのは、高市氏が数少ない議員立法できる人ということがあると思います。本の中にも法律の話が出ていますが、日本だけでなく外国の法律も色々勉強されています。そして、自らも法案を作られるので、日常ではあまり見かけない硬めの表現に慣れているためか、そういう表現が端々に出ていたのかと思いました。
情報が幅広くて詰め込みすぎな感じを受けるのは、本当はもっと書きたかったそうですが、かなり削ったからだそうです。多くの人に読んでもらいたいので、ボリュームをおさえて、本の価格をおさえたかったということです。そのためにちょっと詰め込みすぎな感じになってるような気がします。
(高市氏の前作『サイバー攻撃から暮らしを守れ! 「サイバーセキュリティの産業化」で日本は成長する』が1760円で、今回の本が990円)
印象に残ったのは、まず第1章の冒頭の部分でした。
私は、国の究極の使命は、「国民の皆様の生命と財産を守り抜くこと」「領土・領海・領空・資源を守り抜くこと」「国家の主権と名誉を守り抜くこと」だと考えている。
たしかに国にはそうあってほしいと思います。
高市氏が、日本における様々な課題を、これを基本に考えられているのが、本から伝わってきます。
自民党の総裁選の討論会や対談でも、これを信念としてお持ちだというのが伝わってくる気がしました。
本の中では、日本の様々な課題が挙げられています。それに対する解決案がある程度示されています。非常に説得力があるのは、課題があり、現状の法律がこうなっているので、このような法整備が必要、というような割と具体的に示されているからだと思います。
総裁選でも、他の候補よりきちんと考えを示されていたと、多くの方が感じたのではないでしょうか。他の候補の方々は、考えないといけないとか、議論しないといけないとかという答えが多かったのとは対照的だと思いました。
また、細かいところでは、第3章の最後の部分も印象に残りました。
「日本的経営の再評価」という部分です。終身雇用制がアメリカでも一部評価されていて取り入れられているそうです。
高市氏はこのように書かれています。
「時代に逆行する考え方だ」と批判もされたが、私は、むしろ、長期雇用を前提とした人材育成投資の拡充が、未来の競争力の鍵となる予感がしていた。
言われてみれば、そういうのも良いかもしれないという気がします。
この本では、非常に幅広い内容が取り上げられていて、日本の抱えている課題や、置かれている状況を知るにはとても参考になる本だと思います。
そういうことに興味がある方には、参考になる本なのではないかと思います。
個人的に興味があったので、経済安全保障やサイバーセキュリティのあたりはおもしろかったです。
もし、この本が気になっている方は早めに本屋でチェックした方が良いかもしれません。
出版社によると、『美しく、強く、成長する国へ。私の「日本経済強靭化計画」』は、もう重版の予定もなく店頭に並んでいる在庫が最後だそうです。
お陰様で高市早苗議員の『美しく、強く、成長する国へ。私の「日本経済強靭化計画」』は、Amazon様始め多くの書店様やオリコンチャートで第1位を獲得出来ました。誠にありがとうございます。
— ワック出版局 (@WAC_0001) 2021年9月30日
現在品切れの書店様も多く、重版の予定もなく店頭に並んでいる在庫が最後となります。ご希望の方はお早めに。 pic.twitter.com/zG0CONGMar
(↓ランキングに参加しているのでクリックしていただけると幸いです)